- 签证留学 |
- 笔译 |
- 口译
- 求职 |
- 日/韩语 |
- 德语
三月二十九日、東京・大阪両HIV 訴訟の和解が成立した。思えば、私が生まれて初めて、ニュースを見て涙を流したのは、この薬害エイズのものだった。
製薬会社「ミドリ十字」の幹部たちが、被害者の方々の前で土下座により謝罪をした光景は、今でも強烈に覚えている。私は、テレビ画面を食い入るように見ていた。そして、彼らの土下座のシーンで涙があふれだした。なにも、幹部たちをかわいそうだとか同情したわけではない。被害者の方々の深い怒りと苦しみが、痛いほど伝わってきたからである。
特に忘れられないのは、
「私の子供は、ずっと" コンコエイド"(ミドリ十字の非加熱製剤) でした。あの子は苦しみながら死んでいきました。あなたたちも同じ苦しみを味わうべきです。」
と涙ながらに訴える母親の姿である。国も製薬会社も一向に過ちを認めない中、長い間病気と闘い、差別や偏見に耐え忍んできた被害者たち。責任の追及と謝罪を求めて歩んできた先に、幹部の土下座という一応の決着があった。その姿を前にして涙を流す被害者の気持ちを考えると、なんともやるせない思いで、胸がいっぱいになった。