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「晴の夢はなに?」
思いがけない質問に思考が止まった。
「それは…。」
母は聞き続ける。
「晴は将来何をしたい?」
「わからない。でも、日本はきっと皆の思うような悪人ばかりの国じゃないよ」
「なら、みんなを納得させて、そのために頑張ればいいじゃない」
その瞬間にふと気がついた。母の言った夢というのは別に大きなものでもない。それはただ自分の気持ちに素直になることだ。もっともっと多くの中国人に自分の思いを認めさせたければ、そのために頑張ればいいと教えてくれているのだ。
同年の7月に、私はありがたい機会を得て、日本を2週間ぐらい訪問した。その目で自分の信じ続けてきた日本の姿を確かめたのだ。日本人は電車の中で他人に迷惑をかけないように携帯電話をマナーモードにし、絶対大声で話したり騒いだりはしない。TOTOという世界一のトイレを作る会社を見物して、私はその最先端を走るすばらしい技術と行き届いた設計に驚嘆した。こうした日本人の礼儀正しさや思いやりの精神、先端技術と自然にやさしい物づくりの理念、それらはわが国が日本から勉強すべきものだ。
最後の日に発表会が行われた。発表のテーマを「私は日本に恋している」に決めた。私はこう発表した。「私は日本が好きだ。好きで好きで言葉で表せないぐらい、恋しているように心が引き付けられている。そして、自分の夢は中国の人たちに真の日本を伝えることだ。日本人は人を殺すような化け物ではない、皆やさしい心を持つ人たちだということを信じてもらいたいのだ」と。
日本を去る日、乗り込んだ飛行機の窓から、青空がいつもより明るく見えた。母はもうこの世にはいない。でも、きっとどこかで日本と私の絆を見守っているに違いない。やっと夢をもてた私に優しく微笑んでいるのだろう。
ふと窓の外を眺めると、見送りに来た日本人の先生と友達が必死に手を振っていた。なぜか胸がきゅっと詰まった。何かを叫びたい気持ちになったが、頭が真っ白になった。ただ心の中にある音が響いた。
「ありがとう、日本」。